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【タイ在住者向け】妊活・妊娠中に摂りたいタイ料理リスト

タイ・バンコクで妊活中、または不妊治療中の在住日本人・駐妻の方へ。前回の「避けたい食べ物」編に続き、今回は逆の視点です。タイの不妊治療クリニックや医療機関が「妊娠を望むなら積極的に摂るとよい」とすすめている食べ物を、タイ語の情報をもとにまとめました。サプリではなく、屋台やスーパーで手に入る“ふだんの食事”の話です。

目次

はじめに:タイには「妊活・妊娠向きの食材」が意外と多い

避けたい食べ物の話ばかりだと、タイの食生活が制限だらけに思えてきます。でも実際は逆で、バンコクは新鮮な野菜・フルーツ・グリル系のタンパク質・魚が安く手に入り、選び方次第ではむしろ妊活向きの食環境です。さらにタイには、日本ではあまり見かけない「妊娠中の体を整える」食文化や薬膳的な知恵があります。

この記事は、タイの不妊治療専門クリニック(VFC Center 等)やマヒドン大学系の医療機関が公開しているタイ語情報をベースにしています。一般的な情報提供であり、個別の体調や治療方針については必ず主治医にご相談ください。

まず押さえたい大前提:タイのクリニックが挙げる「摂りたい栄養素」

タイの不妊治療クリニックが妊娠準備期に重視するのは、卵子・子宮内膜・ホルモンバランスを支える栄養素です。具体的には、良質なタンパク質、葉酸(フォリック)、鉄、カルシウム、ビタミンB群・C・D・E、オメガ3(DHA)。これらは日本の妊活で言われる内容とほぼ同じで、卵子を活性酸素のダメージから守り、子宮内膜を整え、排卵を安定させるという考え方です。

ポイントは、これらを「サプリで足す」前にまず食事から摂ること。以下では、その栄養素をタイの“ふだんの食事”でどう摂るかを見ていきます。

妊活中に積極的に摂りたいタイの食べ物

1. 鶏卵(ไข่ไก่/カイカイ)

タイのクリニックがまず挙げるのが卵です。タンパク質に加え、ビタミンA・B群・D・E、カルシウム、アミノ酸、鉄を含み、卵子と子宮内膜の材料になります。VFC Center は妊娠を計画する女性に「1日1個」をすすめています。屋台のカイダーオ(目玉焼き)、カイチアオ(タイ風オムレツ)、カイトム(ゆで卵)など、タイでは卵が安く手に入るのは大きな利点です。ただし半熟・生の卵かけは避け、しっかり火を通したものを選びましょう。

2. 緑の葉野菜(ผักใบเขียว)

葉酸(フォレート)の宝庫として、タイのクリニックはカナー(タイのケール/芥藍)、ホウレンソウ(ผักโขม)、ブロッコリーを挙げています。葉酸は受精・着床期から特に重要で、胎児の神経管閉鎖障害の予防にも関わります。食物繊維も豊富で、妊娠中に起きやすい便秘の対策にもなります。バンコクなら、パックブン(空芯菜)炒め、カナー炒め、各種ヤム(サラダ)で手軽に摂れます。

3. 魚(ปลา/オメガ3とビタミンD)

オメガ3とビタミンDの供給源として魚が推奨されます。タイの情報ではサーモン・ツナ・イワシ(サーディン)といった脂ののった魚のほか、現地で身近なパートゥー(タイ鯖)、プラーチョン(雷魚)などの淡水魚も挙げられています。蒸し魚(プラーヌン)やグリルにすれば余分な油も抑えられます。ただし前回触れたとおり、大型魚は水銀の観点で量をほどほどに、淡水魚は必ず加熱して(生のラープ・コーイは避けて)食べてください。

4. 豆類・全粒穀物・種実類(ธัญพืชเต็มเมล็ด)

かぼちゃの種、大豆、小豆、そら豆などの豆・全粒穀物(玄米、オーツ、麦、ハトムギ)は、良質なタンパク質・良質な脂質・鉄を含み、子宮を強くし質のよい卵子づくりを助けるとされています。白米中心になりがちな外食生活でも、玄米を選ぶ、豆乳(ナムタオフー)を取り入れる、ナッツを間食にするといった置き換えがしやすい部分です。

5. 牛乳・ヨーグルト(นมสด・โยเกิร์ต)

カルシウムと良質なタンパク質の供給源として、牛乳やヨーグルトもすすめられています。タイのクリニックは「なかなか授からない時期の体づくり」として牛乳を毎日飲むことにも触れています。タイは加糖の乳飲料が多いので、無糖・プレーンを選ぶのがコツです。

6. ビタミンC・Eの多いフルーツとナッツ

ビタミンCとEは、卵子を活性酸素から守る抗酸化ビタミンとして重視されます。ビタミンCはオレンジ、キウイ、パプリカ、ブロッコリーから、ビタミンEはナッツ類、ひまわりの種、オリーブオイルから。タイは南国フルーツが豊富なので、抗酸化ビタミンはむしろ摂りやすい環境です。

7. コブミカン果汁(น้ำมะกรูด/ナムマックルー)

これは日本ではまず出会わないタイならではの一杯。タイの情報では、コブミカン(カフィアライム)の果汁は血行を促し、ホルモンバランスを整え、ビタミンCを補う「子宮を整えるドリンク」として紹介されています。科学的に確立された妊娠促進効果という位置づけではありませんが、ビタミンC補給と気分転換に、無糖で適量を楽しむぶんには問題ないでしょう。

日本とちょっと違う「タイならでは」の妊娠食文化

ここからが、日本の妊活情報にはあまり出てこないタイ独特の部分です。

生姜(ขิง/キン)を“食事として”しっかり摂る

タイでは生姜が妊娠中の定番食材です。ジンジャーティー(ナムキン)、鶏の生姜炒め(ガイパッキン)、生姜入りの蒸し魚など、料理として日常的に登場します。マヒドン大学系の医療機関の資料でも、生姜はつわりの吐き気をやわらげる効果が研究で示されており、胎児や分娩への悪影響は報告されていないと整理されています。日本でも「つわりに生姜」はよく聞きますが、タイは“おかず”として摂る量が多いのが特徴です。

タイの薬草ドリンク(ナムサムンプライ)

タイには、妊娠中の体調に合わせて飲む伝統的な薬草ドリンクがあります。代表的なのが、ヤーナーン汁(น้ำย่านาง)、ツボクサ汁(น้ำใบบัวบก)、ガック(赤いウリ)ジュース(น้ำฟักข้าว)、ベール果実茶(ชามะตูม)など。マヒドン大学系の資料では、これらに抗酸化作用や抗炎症作用、血糖を整える作用などがあるとして、妊娠の経過に応じた飲み物として紹介されています。日本の妊活では「薬草を飲む」発想自体があまりないので、ここは大きな違いです。ただし後述のとおり、薬草は“食べ物”と“薬”の境目があいまいなので、量と種類には注意が必要です。

タイ伝統医学の「妊娠月齢別」食事

おもしろいのが、タイ伝統医学(แพทย์แผนไทย)には妊娠1か月目から9か月目まで、その月の体の変化に合わせたおすすめ料理がある点です。たとえばつわりの時期(1〜3か月)には生姜湯・蓮の実茶・豆腐と豚ひき肉のスープ、中期には生姜入り蒸しスズキ・ターメリックの魚料理(プラートートカミン、ゲーンルアン)、後期には卵のパロー煮・シナモン風味の手羽・ベール茶、臨月にはキーレック(タイのセンナ)のカレーなど。これは現代医学のエビデンスというより文化・伝統の知恵ですが、「妊娠の各段階で食べ物を変える」という発想自体が日本とは異なり、知っておくとタイの食文化がより楽しめます。

ココナッツウォーター(น้ำมะพร้าว)にまつわるタイの言い伝え

タイでは「妊娠中にココナッツウォーターを飲むと赤ちゃんの肌が白くなる」という言い伝えが有名です。これはココナッツの果肉が白いことから生まれた俗説で、科学的根拠はありません(「妊婦がココナッツを割ると赤ちゃんの頭が大きくなる」といった言い伝えも同様の迷信です)。一方で、ココナッツウォーター自体はビタミンB・C、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどを含み、水分・電解質補給としては悪くない飲み物です。暑いバンコクの水分補給として、無糖の天然ココナッツウォーターを適量楽しむのは問題ないとされています。肌の色うんぬんは気にせず、ただの“おいしい水分補給”として付き合いましょう。

日本とタイ、何が違う?

栄養素レベルでは、日本もタイも言っていることはほぼ同じです(葉酸・鉄・タンパク質・オメガ3・抗酸化ビタミン)。違うのは“摂り方の文化”です。日本は葉酸サプリや鉄サプリで補う発想が強いのに対し、タイは生姜・薬草ドリンク・月齢別の薬膳料理など、食事と伝統医学のなかで体を整える文化が色濃く残っています。バンコク在住なら、日本式の基本(葉酸など)を押さえつつ、タイならではの新鮮な野菜・フルーツ・魚・生姜料理を上手に取り入れる、というハイブリッドが現実的でおすすめです。

注意:「体にいいハーブ」と「避けたいハーブ」は別物

ここは前回の記事と必ずセットで理解してほしいポイントです。生姜・ヤーナーン・ツボクサ・ベール果実のように“食事として”親しまれているものと、「子宝」「子宮を整える」とうたって薬局やマーケットで売られている民間薬(ヤー・サトリー)は、まったくの別物です。後者にはクワオクルア(プエラリア)、ワーンチャックモッルークなど、女性ホルモン様作用や子宮収縮作用を持ち、妊娠中・授乳中は避けるべきとされるものが含まれます。「天然・ハーブだから安全」とは限りません。薬草ドリンクも、毎日大量に・何種類も、という飲み方は避け、心配なものは必ず主治医に相談してください。

まとめ:タイの食卓は、選び方次第で妊活の味方

妊活・妊娠中に摂りたいタイの食べ物を一言でまとめると、「卵・緑の葉野菜・魚・豆・乳製品・フルーツをベースに、生姜やタイの新鮮な食材を上手に取り入れる」です。バンコクは制限の多い土地ではなく、むしろ良質なタンパク質と野菜・フルーツが手に入りやすい恵まれた環境。日本式の基本を押さえつつ、タイならではの食の楽しみを味方にしていきましょう。

不妊治療中は、治療ステージ(採卵前・移植前後など)によって食事の重点が変わります。採卵前なら卵白・魚のタンパク質や水分をしっかり、といった具体的な指針もあります。気になることがあれば、自己判断せず通院先のクリニックや、バンコク不妊治療ナビを通じてご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療・特定の食事指導を行うものではありません。体調や治療内容は個人差が大きいため、具体的な判断は必ず医師にご相談ください。タイ伝統医学に基づく食材・薬草については、文化的・伝統的な知恵として紹介しており、効果効能を保証するものではありません。

参考にしたタイ語・専門情報

  • VFC Center(V-Fertility Center)「อาหารบำรุงผนังมดลูก บำรุงรังไข่ ช่วยให้ตั้งครรภ์สำเร็จ」 https://v-ivf.com/th/2023/10/including-food-nourishing-eggs-for-pregnant/
  • マヒドン大学 ガーンチャナーピセーク医療センター「อาหารสำหรับมารดาตั้งครรภ์ตามศาสตร์การแพทย์แผนไทย(タイ伝統医学による妊婦の食事)」 https://www.gj.mahidol.ac.th/main/preg-food/
  • サミティヴェート病院「9 อาหาร(เสริม) คนอยากมีลูก」 記事ページ
  • theAsianparent Thailand「คนท้องกินน้ำมะพร้าวได้ไหม」(ココナッツウォーターの言い伝え) https://th.theasianparent.com/can-pregnant-drink-coconut
  • 米国産婦人科学会(ACOG)等の一般的栄養ガイドライン

最後まで読んでいただきありがとうございます🙏✨

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