バンコク不妊治療ナビのゆうきです。
不妊治療を始めるとき、多くの夫婦が最初にぶつかるのが「お金の壁」です。
「正直、いくらかかるんだろう」
「自分たちの家計で続けられるのか」
「夫として、どうお金と向き合えばいいのか」
この記事は、バンコクで2年半の不妊治療を経て2人の子を授かった夫が、夫目線でお金の現実を書いた記録です。
具体的な金額は伏せていますが、構造と夫として考えるべきことは全部書きます。
「これから不妊治療を始める夫」
「すでに始まっているが費用が見えない夫」
「夫がお金の話を避けている妻」に向けて、参考になれば嬉しいです。
夫として、お金とどう向き合ったか
最初に、僕自身の話から書きます。
妻と不妊治療を始めるとき、僕は一つだけ決めたことがありました。
「お金の心配は、僕が引き受ける」
これは「夫が稼ぐべき」という古い価値観の話ではありません。
妻は身体的な負担を引き受けているので、せめて精神的・経済的な負担は夫が引き受ける、というシンプルな役割分担の話です。
不妊治療において、女性の負担は圧倒的に大きい。
- 通院回数(夫の数倍)
- 注射・採血・内診などの身体的負担
- ホルモン治療による体調変化
- 結果が出ないときの精神的負担
この上に「お金の心配」まで妻が抱えると、本当に疲弊してしまいます。
だから僕は、妻に「お金のことは気にしなくていい。やれることは全部やろう」と伝えました。
その上で、夫として「お金の現実」と向き合うために何をしたか。それが、この記事の中心です。
日本での不妊治療費用の構造
まず、日本で不妊治療を受ける場合の費用構造を整理します。
2022年4月から、不妊治療は保険適用が拡大されました。
これにより、多くの治療が3割負担で受けられるようになっています。
保険適用される主な治療
- タイミング法
- 人工授精(AIH)
- 体外受精(IVF)
- 顕微授精(ICSI)
- 男性不妊の手術
一般的な費用相場(保険適用後・自己負担3割)
参考までに、各治療の自己負担額の目安です(クリニックや治療内容により変動します)。
- タイミング法:1周期 数千円〜2万円程度
- 人工授精(AIH):1回 約5,000〜1万円
- 体外受精(IVF):1回 約12〜15万円
- 顕微授精(ICSI):1回 約15〜40万円
- 採卵:約1〜3万円(個数による)
- 胚培養:約1〜3万円
- 胚移植:約1万円〜
これだけ見ると「思ったより安い」と感じるかもしれません。
ただし、ここに含まれない費用が大量にあるのが落とし穴です。
「保険適用」の落とし穴
保険適用とはいえ、すべての治療がカバーされるわけではありません。
保険適用されない費用
- 先進医療の費用:タイムラプス、SEET法、ERA検査、PGT-A(着床前検査)など、これらは「先進医療」として全額自己負担
- 混合診療の制限:保険診療と自由診療を同時に行うと、一連の治療がすべて自費扱いになる
- 年齢制限:女性が43歳以上は保険適用外
- 回数制限:40歳未満は通算6回、40〜43歳は通算3回まで(胚移植回数)
- 検査・薬・通院交通費:個別にかかる
高額療養費制度を使えば、月の上限がある
ここで重要なのが高額療養費制度です。
1ヶ月の医療費の自己負担額には上限があり、超えた分は払い戻されます。年収が約370万〜770万円の方なら、月8〜9万円程度が上限になります。
バンコクでの不妊治療費用の構造
次に、バンコクの不妊治療費用の構造です。
僕たちが利用したSAFE Fertility Centerを含む、バンコクの不妊治療専門クリニックの一般的な仕組みについて書きます。
バンコクは「全額自費」だが、考え方が違う
まず大前提として、バンコクで治療を受ける場合は全額自費になります。
日本の健康保険は基本的に使えません(後ほど「海外療養費」について触れます)。
「じゃあ日本より高いのでは?」と思われるかもしれません。
実はそう単純ではないんです。
バンコクの費用構造の特徴
バンコクの不妊治療専門クリニックには、日本と違う特徴がいくつかあります。
特徴①:パッケージ料金が多い
バンコクのクリニックは、検査・採卵・培養・移植などをまとめたパッケージ料金で提示してくれることが多いです。
「採卵○○バーツ、培養○○バーツ、移植○○バーツ……」と細かく分けるのではなく、「一連の治療で総額○○バーツ」という形。これが費用の見通しを立てやすい最大の理由です。
特徴②:先進医療が標準装備
日本では「先進医療」として別料金になる治療(タイムラプス、PGT-A、IMSI、PICSIなど)が、バンコクでは標準的な治療オプションとして提供されています。
特にPGT-A(着床前検査)は、日本では1個あたり10万円前後の追加費用が必要ですが、バンコクではパッケージに組み込めることが多い。
特徴③:日本にない治療メニューがある
例えば、IMSIやPICSIといった顕微授精のさらに先進的な技術、子宮内環境を整えるための様々なオプションなど、日本では認可されていない治療や、認可されていても実施クリニックが少ない治療が、バンコクでは比較的アクセスしやすい状況にあります。
バンコクの一般的な費用感
具体的な金額はクリニックや治療内容によって大きく異なるため明言を避けますが、ネットの体験談や保険会社の担当者の発言を参考にすると、バンコクでの不妊治療は日本の倍以上かかるケースも珍しくないとされています。
ただし、これは「同じ治療を受けた場合の単純比較」ではない点に注意が必要です。
単純比較できない3つの理由
「日本のほうが安い」「いや、バンコクも結果的に同じ」
このどちらの主張も、ある面では正しく、ある面では正しくありません。
理由は、比較すべき要素が複雑だからです。
理由①:日本の保険適用には「条件」がある
日本で不妊治療の保険適用を受けるには、以下のような条件があります。
- 女性の年齢が43歳未満
- 胚移植の回数制限内
- 法律婚または事実婚
- 保険適用の治療法のみ(先進医療は別)
これらの条件から外れると、日本でも全額自己負担になります。この時点で「日本は安い」という前提が崩れる夫婦は少なくありません。
理由②:「先進医療」の有無で費用が大きく変わる
最近の不妊治療では、PGT-A(着床前検査)、ERA検査、タイムラプスなど、先進医療として認められた技術を併用するケースが増えています。
これらは日本では全額自己負担で、1つの検査で10〜20万円かかることも珍しくありません。
一方、バンコクではこれらが標準オプションとして提供されることが多いため、「先進医療を含めた治療」で比較すると、日本との価格差が縮まる、あるいは逆転するケースも出てきます。
理由③:通院回数・期間で「総コスト」が変わる
費用の本当の比較は、治療1回の金額ではなく、妊娠に至るまでの総コストで見るべきです。
日本での不妊治療:
- 段階的に進める(タイミング → 人工授精 → 体外受精)
- 1段階ごとに数ヶ月〜半年
- 通算で2〜3年かかるケースも珍しくない
- その間の通院交通費・検査費・薬代が積み上がる
バンコクでの不妊治療:
- 最初から先進医療を含む高度治療にアクセス
- 1〜2週間の集中治療で大きく進められる
- 結果が早く出れば、トータルの治療期間が短縮される
「1サイクルの単価」だけ見るのではなく、「妊娠までの総コスト」で見ると、判断が大きく変わってきます。
海外療養費支給申請について
「バンコクで治療を受けて、日本の海外療養費制度を使えないか」
これは多くの方が一度は考える疑問です。
正直に書きます。
海外療養費制度とは
海外療養費制度は、日本の健康保険加入者が海外で診療を受けた場合に、その費用の一部を払い戻してもらえる制度です。
ただし、いくつかの厳しい条件があります。
- 日本国内で保険診療として認められている治療のみが対象
- 支給額は日本国内で同じ治療を受けた場合の費用が基準(実費ではない)
- 必要書類が複雑(診療内容明細書、領収明細書、現地語の書類とその翻訳など)
- 治療を受けた現地の医療機関の協力が必須
不妊治療で海外療養費は使えるのか
ここが核心です。
理論上は、保険適用される範囲の不妊治療であれば、海外療養費の対象になり得ます。
ただし実態として、不妊治療での海外療養費申請は極めて困難です。
理由は以下の通りです。
理由①:書類の壁
海外療養費の申請には、医師による診療内容明細書(日本の様式)の記入が必要です。これを海外のクリニックに依頼しても、書式や記載内容が複雑で、対応できる病院が限られます。
理由②:日本の保険診療範囲との照合
たとえ書類が揃っても、保険者(健康保険組合・協会けんぽ・国保)が「日本での保険診療範囲に相当するか」を判断します。先進医療部分や日本にない治療は対象外です。
理由③:前例の少なさ
実際にバンコクで不妊治療を受けて海外療養費を申請しようとした方の体験談を見ると、「前例がほぼなく難しい」と保険会社から言われた、病院側に必要書類を依頼しても対応してもらえなかったといった記録が複数あります。
結論:期待しすぎないほうがいい
正直なところ、「海外療養費があるから、バンコクでも費用負担が軽くなる」と期待するのはリスクが高いと僕は考えています。
もちろん、加入している健康保険組合によっては独自の付加給付制度があったり、会社の駐在員規程で不妊治療がカバーされるケースもあります。海外駐在員であれば、まずは会社の人事・健保組合に確認するのが確実です。
ただし、「自分で申請すれば返ってくる」と前提に置くのは危険です。海外療養費は使えない前提で予算を組み、もし返ってきたらラッキーくらいの認識が現実的です。
夫として、お金の準備で僕がやった3つのこと
ここからは、夫として実際にやってよかったことを3つ書きます。
これは「不妊治療を始める夫」が、まず取り組むと良い実務的な行動です。
やったこと①:「治療予算」を夫婦で言語化した
最初にやったのは、「いくらまでなら、治療を続けられるか」を夫婦で話し合うことでした。
これは難しい話題です。「お金がなくなったら治療を諦める」という前提を夫婦で共有することになるからです。
でも、これを最初にやらないと、結果が出ないまま家計が傾いていくリスクがあります。
僕たちが話し合ったポイント:
- 月々いくらまで治療費に回せるか
- 貯金からいくらまで取り崩せるか
- どこまで進んだら一度立ち止まるか
- 治療以外の生活レベルをどう維持するか
この話し合いで重要なのは、「数字を出すこと」です。
「あるだけ使う」「なくなるまで頑張る」は、計画ではなく祈りです。
やったこと②:「想定外の費用」を別枠で確保した
不妊治療の予算を組むとき、治療費そのものだけ計算するのは危険です。
実際にかかる費用は、以下のように積み上がります。
- 治療費(メイン)
- 検査費(追加でいろいろ出る)
- 薬代(自宅で使う注射薬・サプリメントなど)
- 通院交通費(特に妻の通院は頻回)
- 仕事を休んだ機会損失
- 渡航する場合の航空券・滞在費
- 想定外の追加治療
これがあるかないかで、治療中の精神的余裕が全く違います。
やったこと③:「お金の話を避けない」と決めた
これが一番重要かもしれません。
不妊治療を進めていると、お金の話を夫婦で避けたくなる瞬間が必ず来ます。
- 結果が出ない治療を続けるかどうか
- 次のステップに進むかどうか
- 諦めるか、続けるか
これらの判断には、必ずお金の話が絡みます。でも、感情的になっているときに「現実的にはお金がもう厳しい」と言うのは、相手を傷つけるように感じてしまう。
僕が決めたのは、「お金の話を、感情の話と分けて定期的にする」ことでした。
具体的には:
- 月1回、「家計のミーティング」を設けた
- 治療の感情的な話とは別の時間で、数字だけ確認
- 「次のステップに進むかどうか」も、この時間で冷静に判断
これにより、感情と数字を切り離して、夫婦で意思決定できるようになりました。
費用面で「やらなくてよかった」こと
最後に、お金の面でやらなくてよかったことも書いておきます。これは、これから始める夫への「罠」の話でもあります。
罠①:「安いクリニック探し」に時間を使うこと
不妊治療を始めるとき、夫としてつい「少しでも安いクリニック」を探したくなります。
ネットで料金比較をして、安いクリニックをリストアップして、レビューを比較して……。
でも、不妊治療において**「価格の安さ」を最優先にすると、結局トータルで損をする**ケースが多いです。
理由:
- 安いクリニックは設備が古い、技術が遅れていることがある
- 妊娠率が低いと、結局複数回の治療が必要になり総コストが上がる
- 通院しづらい場所だと、妻の負担が増える
僕がやってよかったのは「価格ではなく、技術と通いやすさで選ぶ」ことでした。
罠②:「サプリ・健康グッズ」に大金を投じること
不妊治療を始めると、夫婦ともに「少しでも妊娠率を上げたい」と考えます。そこで色々なサプリや健康グッズに目が向きます。
- 葉酸、亜鉛、CoQ10、マカ……
- 体を温めるグッズ
- 高額なミネラルウォーター
- 不妊にいいとされる食品
これらに月数万円使っている夫婦は意外と多いです。
僕も最初は色々試しました。でも、医師が推奨するもの以外は、ほとんど効果が実感できなかったというのが正直な感想です。
医師に「これは効果がありますか?」と確認した上で、本当に効果が見込めるものだけに絞ったほうが、お金も時間も大事に使えます。
罠③:「他の夫婦と比較すること」
「あの夫婦は○○万円で授かった」
「うちはもう□□万円使っているのに……」
こういう比較は、精神的にも金銭的にも消耗するだけです。
不妊治療の費用は、夫婦の状況によって全く違います。年齢、原因、選ぶ治療法、運。比較しても答えは出ません。
僕は途中から、他の夫婦の話は「参考程度」に留めて、自分たちの予算と判断軸だけを見るようにしました。これで精神的にずいぶん楽になりました。
よくある質問(FAQ)
- バンコクで不妊治療を受ける場合、合計でいくらかかりますか?
-
治療内容や夫婦の状況によって大きく異なります。一般的には、日本で保険診療を受けるより高額になるケースが多いとされています。ただし、PGT-Aなどの先進医療を含む比較や、治療期間の短縮による総コストで見ると、必ずしも日本のほうが安いとは限りません。具体的な見積もりは、クリニックに直接相談するのが確実です。
- 日本の海外療養費制度は使えますか?
-
理論上は対象になり得ますが、実態としては申請が極めて困難です。日本の保険診療の範囲のみが対象であること、書類の準備が複雑であること、海外クリニックの協力が必要であることなどが理由です。基本的には「使えない前提」で予算を組むことをおすすめします。会社の駐在員規程でカバーされるケースもあるので、勤務先の人事や健保組合に確認するのが確実です。
- 高額療養費制度はバンコクでも使えますか?
-
いいえ、高額療養費制度は日本国内の保険診療を対象とした制度です。バンコクでの治療は対象外です。
- 医療費控除の対象にはなりますか?
-
海外で受けた不妊治療費も、医療費控除の対象になり得ます。ただし、領収書(外貨建ての場合は円換算した金額)、治療内容を証明する書類などの準備が必要です。治療目的が明確であれば対象になるケースが多いですが、税務署への確認が確実です。
- クレジットカードでの支払いは可能ですか?
-
バンコクの不妊治療専門クリニックの多くはクレジットカード決済に対応しています。VISA、Mastercardは広く使えます。ポイント還元のあるカードを使えば、結果的に少し節約になります。
- 治療予算はいくら確保しておけば安心ですか?
-
夫婦の状況によりますが、想定する治療内容の総額に20〜30%上乗せしておくのが現実的です。想定外の追加治療、検査、薬代、渡航費などが必ず出てくるためです。
- 夫として、妻に費用の話をどう切り出せばいいですか?
-
「責めるためじゃなく、現実的に治療を続けるための話」という前提を最初に伝えるのが大事です。感情的になりやすい話題なので、月1回など定期的な「家計ミーティング」を設けて、感情と数字を分けて話し合うのがおすすめです。
まとめ:夫として、お金とどう向き合うか
最後に、この記事で一番伝えたかったことを3つにまとめます。
1. お金の話を、避けないこと
不妊治療において、お金の話は避けて通れません。それを最初に夫婦で言語化することが、長期的に治療を続ける上で必須です。
「あるだけ使う」「なくなるまで頑張る」は計画ではありません。
数字で予算を組み、定期的に確認することが、夫として最も重要な仕事の一つです。
2. 「安さ」ではなく「総コスト」で考える
1サイクルの単価ではなく、妊娠までの総コストで考える。これが、不妊治療の費用判断の核心です。
日本で「安い」治療を選んでも、結果が出ずに何年もかかれば、結局高くつきます。逆に、バンコクで「高い」治療を受けても、早く結果が出れば総コストは下がります。
3. 海外療養費は期待しないほうがいい
「海外療養費があるから大丈夫」と思って予算を甘く組むと、後で痛い目を見ます。
海外療養費は使えない前提で予算を組み、もし戻ってきたらラッキー。
これくらいの認識でいたほうが、現実的に治療を続けられます。
不妊治療において、お金の話は重く、しんどい話題です。
でも、夫として「お金の心配は引き受ける」と決めて、現実的に向き合うことができれば、妻が治療に集中できる環境が作れます。
これは、夫として一番大きな贈り物の一つだと、僕は思っています。
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