「バンコク不妊治療ナビ」代表のまにょです。
今回は、私たち夫婦がタイ・バンコクのSAFE Fertility Centerで受けた妊娠判定とNIPT(出生前診断)、そしてクリニック卒業までの通院の流れについてお話ししたいと思います。
バンコクには不妊治療クリニックが数多くありますが、その中でなぜ私たちがSAFEを選んだのか。そしてこれまでにチャレンジしてきた「人工授精」「顕微授精」「着床前診断(PGT-A)」などの治療については、以下の記事にまとめています。
あわせて読んでいただけると、より流れがわかりやすいと思います。

妊娠判定までの流れ
胚移植から妊娠判定までは 7日間。私たちの場合は、こんなスケジュールでした。
- 7月22日:胚移植
- 7月29日:妊娠判定
体調の変化と気持ちのゆれ
判定までの1週間は、やっぱり落ち着きませんよね。私も例に漏れず、毎日つい検索しては安心したり不安になったり…の繰り返しでした。
フライング検査をする方も多いと思いますが、私は陰性を見て落ち込むのが怖くて、グッとこらえて当日まで待つことに。
感じた体のサインは、こんな感じです。
- 移植から2日後(着床予定日)に、太ももの付け根がチクチク(いわゆる着床痛…?)
- 体がぽかぽかする感覚
- 生理前のような腰痛
ただ、どれも「妊娠初期症状」にも「生理前の兆候」にも当てはまりそうなものばかり。これまでも「もしかして…!」と思いながらリセットを何度も経験してきたので、期待しすぎるのが怖くて、はっきりと確信は持てませんでした。
小さなサインを大切に受け止めつつ、心はできるだけフラットに。私はそんな気持ちで判定日を待ちました。
いよいよ妊娠判定当日!
まさかのフライング発表!?
妊娠判定の日は、これまでのどの日よりも期待と不安が入り混じった一日でした。
朝から落ち着かず、心臓はずっとバクバク。クリニックへ向かう途中も「もしダメだったらどうしよう…」と頭の中でぐるぐる考えてしまっていました。
到着後、まずは血液検査。その結果を待つ時間が、人生で一番長く感じたかもしれません。
待合室で通訳さんがこちらに歩いてくるのが見えた瞬間、怖くて目をそらしたのですが…。
なんと次の瞬間、満面の笑みで「おめでとう〜!」のひとこと!!
先生との問診前にいきなり言われると思っていなかったので、驚きと安堵で一気に力が抜けてしまいました(笑)
長い時間が報われたような、そんな瞬間でした。
妊娠12週の「卒業」まで、まだ気は抜けない
念願の「陽性反応」が出たとはいえ、ここからが新しいスタート。
心拍確認や週ごとの経過チェックなど、まだまだ慎重に進める必要があります。
SAFEは不妊治療専門クリニックのため、出産までは扱っておらず、妊娠12週を無事に迎えたら“卒業”という形になります。
妊娠判定後も、ホルモンを補う薬を数種類処方され、体調の変化に気をつけながら通院を続けました。
嬉しさと同時に、緊張感の続く日々です。
弾丸帰国組も多い!海外からの患者事情
ちなみに、私たちはタイに滞在しながら治療を続けましたが、海外から来ている患者さんの中には、弾丸スケジュールで治療に取り組む方も多いのだとか。
中にはなんと、胚移植をして2日後に飛行機で帰国した方もいたそうです!
SAFEでは、短期滞在者向けのスケジュールにも柔軟に対応していて、「どうしても長期で滞在できない」というご夫婦も、安心して治療を受けられる環境が整っています。
NIPT(出生前診断)について
NIPT(出生前診断)とは?
NIPTは、妊婦さんの血液に含まれる胎児のDNA断片を分析して、赤ちゃんの染色体異常のリスクを調べる検査です。
採血だけで行えるため、母体や胎児への負担が少ないのが特徴です。
主に以下の染色体異常の可能性を調べることができます。
- 21トリソミー(ダウン症候群)
- 18トリソミー(エドワーズ症候群)
- 13トリソミー(パトウ症候群)
日本とタイのNIPTの違い
NIPTは日本でも一般的になりつつありますが、制度面・検査内容・自由度の点で、タイとは大きな違いがあります。
日本の場合
日本では、NIPTを実施する医療機関が「認可施設」と「未認可施設」に分かれています。
認可施設の場合、
- 受けられる条件がある
例:高齢妊娠(35歳以上)、過去に染色体異常の出産歴がある、など - 性別の通知は禁止
倫理的な理由から、検査で性別がわかっても結果には記載されません。 - 検査項目が限られている
主に「13・18・21トリソミー」の3種類が中心で、追加検査は不可のことも。
つまり、医学的理由がある人だけが受けられる特別な検査ということです。
近年では、こうした制限のない「未認可施設」も増えてきました。
「未認可施設」は学会の正式な指針外となるため、医師によっては「自己責任で受けてください」というスタンスの場合もあります。ただし、性別を教えてもらえる施設もあり、自由度が高いのが特徴です。
タイの場合
一方、タイではNIPTは一般的なオプション検査として定着しています。
- 年齢や既往歴に関係なく、希望すれば誰でも受けられる
- 性別も希望すれば通知される(法的制限なし)
- 海外の検査ラボ(米国・シンガポール系)と提携
- 染色体ごとの詳細なレポートが英語で届く
PGT-Aと同じく、タイのNIPTは医療技術の高さと自由度が特徴です。
私たちがNIPTを受けた理由
私たち夫婦は、胚の段階でPGT-A(着床前診断)を行っていたため、
正直「NIPTは不要かも?」と思っていました。
しかし、通訳さんに相談したところ、
「NIPTも受けておいた方が安心ですよ」
とのことで、念のため受けることにしました。
結果はすべて異常なし。
もちろん、NIPTではすべての障害がわかるわけではありませんが、大きな染色体異常の心配がないと確認できたことで、とても安心しました。
NIPTの金額は、1万5,499バーツ(2023年時点)。当時のレートで約5万5,000円でした。
※こちらはあくまで2023年当時の料金です。2025年現在の価格については、以下よりお問い合わせください。
妊娠判定から卒業までの流れ
妊娠判定後は、1〜2週間おきにクリニックへ通い、経過観察とホルモン剤の処方を受けていました。
診察では、エコーで赤ちゃんの成長を確認しながら、ホルモンバランスを整える薬を調整してもらいます。
幸いにも経過はとても順調で、つわりも比較的軽く、あっという間にクリニック卒業の12週を迎えることができました。
私の場合は、妊娠判定〜クリニック卒業まで、合計6回通院しました。
NIPTを含めて、通院費用の合計は約5万8,000バーツ。当時のレートで約20万円でした。
笑顔でクリニック卒業!

こちらは、卒業の時に担当の先生(左)と通訳さん(右)と一緒に撮った記念の一枚。
SAFEはいつも明るく前向きな雰囲気で、通うたびに元気をもらっていましたが、この日はさらにハッピー度がアップ!
先生も通訳さんもずっとニコニコで、祝福ムードいっぱい。胸がじんわり温かくなりました。
出産は日本へ里帰り
第一子は、日本へ帰国して国内の病院で出産しました。
タイでの出産が不安だったわけではなく、生まれたらすぐに両親に会わせたかったから。
もちろん、タイでの出産を選ぶ場合は、SAFEから紹介状も発行してもらえます。
無事に日本で第一子を出産したあと、バンコクに戻ってSAFEで第二子を授かることに。
現在は第二子を妊娠中で、今度はタイでの出産予定です!
こちらも追ってブログにまとめるので、楽しみにしていてくださいね。
次は「夫の視点」編へ
ここまでは妻である私の視点で綴ってきましたが、タイでの男性側の不妊治療体験記はなかなかレア。
次回は、夫がどんな気持ちで治療に向き合っていたのか、率直な声をお届けします。
男性のリアルな気持ちが知りたい方は、ぜひ次の記事もご覧ください。



